さらば脳ブーム/川島隆太

さらば脳ブーム (新潮新書)

さらば脳ブーム (新潮新書)

ドリルやDSソフトにより大流行となった『脳を鍛える』。その火付け役となった著者が、韜晦をも込めて振り返っている。
学術と商業、福祉のせめぎあいは妥協点をどこに置くかが難問である。それに翻弄されて本来の研究から逸脱せざるを得なかった著者らの思いや如何に。

また、本書には「脳科学者」茂木健一郎氏に対する諫言も書かれている。茂木氏の著作やテレビ番組での発言を見聞きしてどうもスッキリしない部分があったのだが、著者の指摘で得心がいった。要するに「脳科学者」とは研究者であって専門家とは限らない、ということなのですな。

どうでもいいことだが、著者の関与したDSソフトは我が家にも2作ともある。久しぶりに引っ張り出して、脳年齢とやらを測定してみますか。