井上薫「司法のしゃべりすぎ」新潮社新書 (2005年) ISBN:4106101033

 裁判の判決文に記された「理由」には多くの蛇足が含まれている。これが裁判の本筋とは関係なく一人歩きし、当事者に新たな被害を及ぼし、手続きや作業の面で無駄を生んでいる……これまで気づかれなかった裁判と判決文の実態を、現役判事が多くの実例を元に鋭く指摘した本。
 法理論的には著書の指摘はもっともであるが、司法の役割をきわめて消極的に限定する姿勢は現状肯定派に与するばかりに思える。