大塚英志「『伝統』とは何か」ちくま新書(2004年) ISBN:4480061967

 近代の日本において「伝統」はいかに作られてきたか。社会=国家体制の求めに応じ、「伝統」という装いのもとに支配者に都合の良い制度・しきたりが形成される様を、柳田国男らによる民俗学の視座の変化によって浮かび上がらせている。
 何年続けば「伝統」として認められるようになるのか。私たちが「伝統」だと思っているものは、実は大して古いものではないこともあるようだ。