養老孟司「死の壁」新潮新書(2004年) ISBN:4106100614 2005/7/14

 誰にでも等しく訪れる「死」をキーワードに、安楽死テロリズム、臓器移植から靖国にまつわることなど、沢山の問題についての考え方を提示している。「人生のあらゆる行為は取り返しがつかない。そのことを死くらい歴然と示しているものはないのです」(本書p188)という一節に全てが込められているように思う。
 ベストセラーとなった「バカの壁」同様、口述筆記による語り口調でとても読みやすい。難しいことを易しく説明できるのは素晴らしい能力である。