山下芳樹・白石拓「浦島太郎は、なぜ年をとらなかったか」祥伝社新書(2005年) ISBN:4396110227

 相対性理論量子力学について「思考実験」という手法を紹介しながら解説している。紹介されている一つひとつの設問は本文を丹念に読んでいけばそれほど難易度が高くなく、「頭の体操」的に楽しんで無理なく読み進むことができた。ただ、各頁毎の脚注は煩わしく感じられた。教科書を思い出してしまうせいだろうか。
 思考実験と現実の観測結果などからそのモデルの妥当性を判断していくという手法は思考力の勝負。ある種の哲学思想と通じるものがあるのかもしれない。