織田淳太郎「医者にウツは治せない」光文社新書(2005年) ISBN:4334033180

 自らもうつ状態となり入院・投薬治療を受けたことのある著者が、患者・治療者双方の視点から現在の「うつ治療」をたどり、心と感情の問題を考察している。自らの経験や事例をもとに、薬剤や内観法などの治療法に対して一定の効果を認めつつも、それを万能視することには懐疑の念を差し挟んでいる。かく言う著者は「呼吸瞑想法」「ジョギング瞑想法」なる手法を実践し、安定した精神状態を保っているという。
 精神世界の奥深さ。生きているからこそ悩むのだ。