是経啓助「都会のお葬式」生活人新書(2002年) ISBN:4140880457

 無宗教だと公言しながらも、こと葬儀となると仏式を選ぶ人が大半だという日本の現状を踏まえ、「葬送の自由」を前提に、今日の葬儀から埋葬に至る各事情の問題点からあるべき姿までを考察した本。いざ葬儀という段になると、遺族に心の余裕はなく、また時間も限られている。望むと望まざるとに関わらず、死の局面は誰にでも訪れるものだろう。故人の遺志と遺族の感情、そうしたものを陰から侵蝕する商業主義。まぁ死んでしまえば身体一つ持っていくことはできないのですがね。