数学をなぜ学ぶのか／四方義啓

数学をなぜ学ぶのか (中公新書)

　連立方程式、二進法、三角関数、幾何学、微分積分等々、数学を学ぶ意義はちゃんとある。それは自然の摂理を知り人類発展のために欠かすことができないものなのだ。……と、本書を読み進むうちに読者はいつの間にか数学の知識を再確認しつつ、学ぶことの意義も認識することができるようになる。数式はそれほど多くなく、歴史や哲学、化学など多彩な分野の補強をしつつ、数学各分野の基本をおさらいする構成で、文系を選択したワタクシ程度の知識でも納得しながらついていくことができた。『数学嫌い』を標榜する人も、本書のような授業を受けて学んでいたらまた違った思いをしたかも知れない。
　高校卒業から早☆☆年。覚えていること、忘れていることは様々である。しかし当時の恩師の顔はまざまざと思い出すことができました。