キヤノンとカネボウ/横田好太郎

キヤノンとカネボウ (新潮新書)

キヤノンとカネボウ (新潮新書)

 繊維から化粧品まで、栄華を極めながらも凋落していったカネボウ。研究から巧みな商品開発により成長を続けるキヤノン。全く異なる両者の社風を内部から見つめた著者による、風変わりな企業研究の一冊である。両者の違いを感性「文系」と知性「理系」にあるとしているが、なるほど言い得て妙であるかもしれない。もっとも、「感性の企業だから落ちぶれた」「知性の企業だから発展した」――そんな単純な構図ではないのは勿論であるが。