自己中心・唯我独尊の風潮がますます強まってきた日本社会。しかし、ほんの少し前までは美しき思いやりの心に満ちあふれていた。思いやりの本質とそれを取り戻す術を著者は説いている。著者によれば、思いやりとは「人々のおかげ」というヨコ軸と、「神仏もしくは大きな自然の力」というタテ軸からなるという。確かにワタクシも含め、近頃の日本人には倫理・道徳・
規範意識といったものが薄れ、滅私奉公などという自己犠牲の観念はほとんど消え去ってしまったかに見える。
ゆとり教育の名の下に、道徳学習を受けなかった世代が親となり、自己チュー人間を再生産しているのだから将来は暗い、と考えるべきなのかもしれない。
自分がされたら嫌なことを他人にしない。それだけでも世の中はもっと暮らしやすくなると思うワタクシは楽観主義者なのかもしれません。