わかったようでわからない日本語/夏木広介

著者は日常目や耳にする言葉を深く掘り下げて、誤用・誤解を指摘する。そしてその標的は国語辞典に収斂されていき、曖昧さや矛盾点を厳しく指弾する。
言葉は送り手と受け手とがその意味を等しく理解していなければ、正しい伝達機能が発揮されない。そういう視点から見れば、不適切な用語・用字方は許されるものではない。まぁ、日常生活においてどれほど厳密さを求められているかといえば、あまりに拘りすぎるのも顰蹙ものではあるのだが……。

本書における著者の論点は、その殆どについてワタクシも同意する。ただし「『見れる』は本当におかしいのか(本書P123)」の項は、文法の規則というものを敢えて無視しているように思えます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜後で見直してみたら、この本は以前にも取り上げていたのでした。嗚呼。