気まぐれ「うつ」病/貝谷久宣

気まぐれ「うつ」病―誤解される非定型うつ病 (ちくま新書)

気まぐれ「うつ」病―誤解される非定型うつ病 (ちくま新書)

 巷に増えているという『プチうつ病』。その多くは非定型うつ病なのだという。本書では様々な事例を踏まえて非定型うつ病の診断と原因、治療法などを述べている。非定型うつ病の判断基準はメランコリー型(定型)うつ病と比較して?過眠?鉛様麻痺?食欲の亢進、摂食量の増加または体重の増加?拒絶過敏症 のうち2つ以上があれば確定、1つあれば疑いがある(本書P27〜35)とのこと。気分反応性(自分の好き嫌いに応じて気分の変化が強く出ること)は重視されないらしい。


 臨床医としての立場からか、著者は非定型うつ病患者に対して比較的好意的な視線を向けているように思う。そういう部分につけ込む?甘え人間もいるように思えてならないのだが…。