裁判官の横着/井上薫

 面倒な判決文を書かないで済ませるために和解を勧める、裁判資料を読まない、居眠りや他の作業をしていて尋問を聞いていない、過去の判例や引用で判決文を仕上げる――元判事ならではの、知られざる裁判官の実態を白日の下に晒した一冊。著者は『司法のしゃべりすぎ』で「蛇足判決」の弊害を広く世に問い、物議を醸した人である。本書でもその件に一章がさかれている。


 裁判官とは六法全書を傍らに置き しかめっ面で思索に耽る人…などという印象を抱いていたが、実は彼らも月給取りであり、手を抜きたくなる場面もあるのだろう。まぁ、裁判官とは無縁の人生を送りたいものであるが。